DESIGNART TOKYO 2021 Rooming BOX 展示作品

STORY 1新しい伝統工芸プロダクト開発と発信

福珠窯が描く自然観を表現した
絵柄の壁紙やファブリック

伝統工芸品の技術や魅力、特別感を演出する新たな商材へと繋いでいきたいと考え、「Re:Traditional」をテーマにした商品開発を試みました。
出展にご協力いただいた有田焼の窯元「福珠窯」の器は、職人が長年培ってきた、自然観・社会観・感性を表現した絵付けが魅力のひとつです。
その手書きの絵付けの風合いをそのままに、現代の高い転写技術によりインテリアの壁紙やファブリックへと発展させた企画で、有田焼=食器という概念から、職人技術や芸術性にクローズアップした、新しい伝統工芸プロダクトとして、空間というスケールに広げた魅力を発信しました。

杵灰釉の画像

後世に残したい絵付けの技術と魅力

今回開発した商材の絵柄は、壁紙用やファブリック用として別に描いたものではなく、有田焼の器自体を撮影したものをデザインのモチーフとして使っています。
現代の高精細な入出力技術を活かしたソリューションにより、福珠窯の絵付けの特徴でもある「杵灰釉(いすばいゆう)」の独自の発色や味わいのある滲みの風合いも、柔らかな表情を残したまま、細かな筆遣いまで表現しています。

福珠窯の発想の源「有田の森」

器の絵柄に込められた世界観をより空間で体感してもらうため、新商材のデザインは福珠窯の発想や釉薬づくりの源となる「有田の森」をコンセプトに設定。
日本古来の文様や初期伊万里スタイルのほか、今回の出展に合わせてデザインしたオリジナル作品を加え、全11種類の自然観を表現したデザインの壁紙やファブリックを制作しました。

有田の森 デザイン壁紙

「有田の森」から世界へ

オリジナル作品の器のデザインテーマは「飛躍」。
DESIGNART TOKYO2021 のテーマ「CHANCE !かつてないチャンス」から、発想を飛ばし、良く弾み飛躍をイメージさせる「鞠」形状の器をメインに、有田の森を駆ける動物たちを描いた躍動的なデザインとしています。

有田の森 オリジナル作品の写真

STORY 2作品の世界観を体感する映像演出

繊細な絵付けの
風合いや絵付け工程を映像体験で体感

KARAKURIの「Projection BOOK」の技術をベースに、有田焼の白皿に福珠窯の絵付け工程の動画を投影して魅せる体感型展示。
そのほか繊細な絵付けの風合いを体感する映像や、空間を使って作品の世界観を体感するプレゼンテーションなど、デジタルとアナログを融合させた展示演出を行いました。

Projection DISHの動画サムネイル

皿に貼られたQRコードを展示台の所定の位置に置くことにより、中央に置かれた白の平皿に投影された映像が切り替わるインタラクティブな映像演出。
職人が実際に作業をしている手元動画で絵付けを体感できるコンテンツや、それぞれの絵柄に込められた由来や想いを綴ったコンテンツなどを制作し、来場者が能動的に想像力を膨らませながら楽しめる展示としました。

ROOMING BOXの動画サムネイル

福珠窯が手がけた有田焼の作品とともに、空間全体で絵柄の世界観を表現。半透明のアクリルのテーブルトップには、生き生きと駆けまわる鹿や兎、ヒラヒラ飛ぶ蝶など、福珠窯の器に描れた植物や動物たちの情景を描いたイメージムービーを投影し、有田の森との出会いを印象的に演出。プロダクトの価値に付加価値をあたえる体感展示としました。

ROOMING BOX展示室の外観

展示会場の入口に設置したアイキャッチとなるサインボックスの背景には、250倍に拡大しても美しく繊細な絵付けの風合いを、映像で魅せるインスタレーション演出を施しました。

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