友田修/取締役 「リゾート・まちづくり等のコンセプト」、「駅空間のコンサルタント(駅学のススメ)」、初期販売センター業務、企業館PR施設コンサルタントなどを経験。 現在カンケン広報誌City Scienceを担当。
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態度変容と行動(行為)変容 さて、先日の竹田作の目白販売センター。 建物の外観は本物件の素材を使ったモノ。シアターホワイエは木目の大きな壁がグラフィックに変わる、モーショングラフィック。物件のことをプッシュする情報はない。シアター、随分インテリア的にも仮設とは思えない仕上がり(少々ほめすぎ?) 次の模型展示室へは正面のスクリーンが巻き上がる。(別に新しくは無いが)模型は中の下といった仕上がりだが、けっこう上質な空間が与えられると、何となくごまかされてしまう。 「ブランディングは態度変容」させること、とマーケティングの世界では言われているが、まさしくブランディングをインテリアで攻められると、ちょっと冷静になれなくなる。どちらかというと気持ちよくお任せしたい感じになる。 一方、いわゆる展示説明となると、これもマーケティングの世界では「展示は行動(行為)変容」ということで、良いということ(選択する視点)を植え付ける、良いと思うことを探させる、プッシュ型の装置となる。 真っ暗なシアターで、大音響、光と映像と、野太いナレーションで7分間缶詰、なんていう手法は洗脳するようなやり方だ。昔、販売センターに初めてエスカレータを付けた時、お客様を否応なしに次の空間へ誘うやり方として効果的と評されたことがあった。ただ登らせるのではなく、夜景の演出をかけて、模型展示室へ。模型も意外な見せ方をしたりして「驚ろかせることがエンターテイメント」というふうに考えていた。それも、展示に対する興味喚起であり、説明内容をしっかり伝えるためのテクニックだと。 スペースメディア的視点 さて、これまでの話しだと「ブランディング」と「展示」は別なような読みとり方をされそうだが、けっしてそうではなく、どっちを強く出すべきか、というバランスが大切だということだ。建築インテリア仕事もあり、展示もあり、モデルルームというサンプルの存在が前提にある。メディア的意味で言えば、体感メディアとでも言うことだろう。広告宣伝に惹かれた人々が次ぎのステップとして体感する空間。接客・販売のオフィスでもある。 冒頭の「パリ21区」のような表現上わかりやすいブランディングイメージはほとんど無いと思われるが、大切なデザインプロセスであることを再認識する。 稲荷担当の調布販売センターについて。 デザインが際だつでもなく、清潔感、堅実さといったイメージが第一印象。デベとしての姿勢、良いくらしのまじめな取り組み、といった雰囲気が自然に伝わる。 「子育てファミリーさん、都心にこんなに近いにもかかわらず野川の自然、オール電化(東電施設跡地)、共用施設も充実、セキュリティーも万全・・・・」外に向かって言いたいことが山ほどあるだろうに、外観にはこの手の広告は一切無し。 ホワイエ、シアター、模型展示室、そして主役のモデルルーム。気持ちよく身体を任せて見ることができた。よく頭が痛くなったり、いらいらしたり、生理的に不快感が残ることはあるが、それは全く無い。多分、展示屋の仕事ではない、インテリアデザイナー的仕事にシフトしてきた現れではないかと思う。 でも本当の建築家、インテリアデザイナーではない。うちの場合、そのへんが微妙。スペースメディアっていうと、冒頭で話した、シトロエンのある画家の家はスペースメディアではなく、住宅建築である。建築家と施主の成せるワザである。 一方「パリ21区」のコンセプトでその画家の家を販売センターにしてしまうのはスペースメディア。目的がマンションのブランディング。これは住宅設計の建築家ではできないし、毎日施主と打ち合わせをしているインテリアデザイナーでもできない。設計方法や納まりなどもきっと根本から違うのではないか。多分やる気の部分でも(目的が違う?)。だからダメだと言っているわけではない。目的に合わせて使い分けることが大事だと言いたい。もちろん将来的に。(友田) 「友田の目」以上