|
行ってきました韓国。
何かと話題にあがることが多い韓国ですが、訪れたのは今回がはじめてです。宿泊したホテルが都心ということもあり、ホテルを出ると建築途中の工事現場がたくさん。その中に日本よりも斬新でダイナミックな仮囲いアートを見つけました。
場所はソウル市中心のソウル広場。1926年に建設されたソウル市庁舎本館の解体復元工事に際して囲われた工事フェンスに、写真パネルユニットが取り付けられていました。

近寄ってみると、1枚のパネルには笑顔の市民が全身で映っていて、連なると様々な市民が手をつないでいるように見えます。


ユニットパネルの像は実際よりも若干大きいようですが、ほぼ等身大といったところ。小さな子どもたちも左右に手を挙げ、隣り合わせになるであろう大人たちと手をつなぐポーズで撮影されています。

取付方法もシステマティックで、単管パイプを下地にパネル裏で固定しながら、さらにパネル同士を専用ジョイントでつなぎ合わせる簡易的なもの。数時間の内には300~400枚のユニットパネルがクレーン作業で取り付けられていました。

また工事フェンスを回り込むと、正面の芝生空間に向かって立派なイベントステージが組み込まれ、その横のサインボードには「文化と芸術があるソウル広場」という文字が読めました。


「文化と芸術があるソウル広場」は、2004年から毎年行われているソウル市主催のイベントのようで、5月~10月の気候のよい時期に、月ごとのテーマに合わせて、クラシック、伝統芸術、舞踊、オペラ、ロックなどの文化公演のほか、市民参加の舞台などのプログラムが常時行われる夜間のフェスティバルだそうです。
そのため仮囲いの夜間景観も斬新で、フェンスのホリゾントを活かしてブルーの照明でラインを浮かび上がらせ未来の建物をイメージさせていました。

ソウル市のシンボルとなる市庁舎の工事というだけあって、韓国といえども慎重に行わなくてはならないようです。歴史的建造物である市庁舎の保存を唱える意見もあり、またステージ前の大きな円形の芝生は、市民公募で決定した広場造成計画案を市が中止して急遽整備したとかで一部の市民とのあいだで揉めているらしく、この工事現場の持つ意味は、観光客の立場からではなかなか読み解くことができませんでした。しかしここまで徹底的に工事現場をアート化した理由を、帰国後のネット情報において少しだけ垣間見れた気がします。
一方、芝生をはさみ、ソウル市庁舎と対面を成すビルの建設工事の仮囲いには、行政が持つ悩みとは異なり、おおらかさを感じさせる“大きな青空”が浮かび上がっていました。 【池村明生/取締役】

|