池村明生/取締役 「すみだトリフォニーホール」「日本都市センター会館」「さいたま新都心」「霞城セントラル」のアートプロジェクトから、「霞ヶ関地区サイン整備計画」「ブルー&グリーンプロジェクト広報計画」「環境省新宿御苑100周年プロモーション計画」「JAPAN BRAND展示計画」などのデザインコンサルテーションを担当。現在、東 海大学教養学部芸術学科教授。
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「歴史と伝統、自然への畏敬をシンボライズし、クラフトマンシップを感じさせる紋章を制作してほしい」 マンション開発にあわせて、販売プロモーションと広告デザインを担当する制作プロダクションから発生した仕事であった。
エンブレムのイメージは、昔からある古びた味わい深い重厚なもの。 ヨーロッパの街並みや建築写真に見られるエンブレム・レリーフが、広告デザインのメインモチーフとなっていた。
マンション販売プロモーションにとって広告のシンボルは重要なモチーフである。一時期の著名タレントの起用によるプロモーションに飽きがきている中、マンションが建設される土地のポテンシャルが高ければ、地に足がついたモチーフをテーマにすることができる。
仮想のグラフィックイメージからはじまったエンブレムを、実際のかたちにしたのは彫刻家であった。日頃、石やガラスの彫刻作品を制作する彫刻家によって、クラフトマンシップを感じさせるオリジナルなレリーフが完成した。 そして鋳物制作を想定しながらグラフィックデザイナーに対して原画デザインのアドバイスを行い、効率的な制作工程を想定しながら彫刻家に対して原型づくりのサポートを行うなど、デザイナーと彫刻家の橋渡しとなったのも、コーディネーター役に徹したもう一人の彫刻家であった。
彫刻家はイメージを形づくる職能を持っている。自らの作品を一から創り出すだけではなく、他人が思い描くイメージであっても、「かたちをつくりあげる」という職能は見事に機能すると、感じた次第である。 【池村明生/取締役】
写真:完成したエンブレム・レリーフ
写真:販売センターの受付に飾られたエンブレム・レリーフ
写真:発砲スチロールで作成された原型ディティール
写真:アトリエでの彫刻家との打ち合わせ風景
写真:エンブレムの最終デザインイメージ
写真:分割され製作された原型