SPグループの気ままに観察日記
SP部門のみんなが見た色んな物、その感想をUPします。展覧会あり、自然あり、遊びあり、建物あり、街で見た変な物あり。一見「何これ?」と思ってもそう言う物こそが後で役に立つのです!

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17.「メディア芸術」と「アール・ヌーボー」 2007年03月06日 11:16

 第10回を迎えた「文化庁メディア芸術祭」の展覧会に足を運んだ。
 アートに限らず、エンターテイメント、アニメーション、マンガなど、日本を代表する“オタク文化”が一同に会する芸術展である。

 一般的に展覧会場は鑑賞動線を設定しながら、人の吐き出しをスムーズに行うものだが、会場に入ってまず感じたのは、「どこから見るか?」「何を見るか?」「どう見るか?」といった疑問の渦。このような類の展覧会をあえて避けてきた結果、時代遅れの人になってしまった気になる。
 来場者も、若い人ばかり。映像を鑑賞する人、ゲームを楽しむ人、マンガを読み耽る人など、さながら映画館とゲームセンターと、マンガ喫茶が混在する異様な空間である。

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 ふと、19世紀末に華を咲かせた「アール・ヌーボー」を思い出した。自然物をモチーフに有機的な曲線を活かす装飾芸術が、絵画・工芸・建築などさまざまな分野に浸透しながら機械産業へ警鐘を鳴らし、自然を、また命を謳歌した芸術様式。
 一方「メディア芸術」も、アートに無限なスタイルがあることを示し、アメリカなどから高く評価される「ジャパン・クール」(日本のかっこよさの意)という言葉を持ち出しながら、関係者は10年目を迎え発展したことを喜ぶ。

 たしかに、「メディア芸術」の持つ力が、子どもに限らず、むしろ大人の楽しみとなって、たくさんの人の心を惹きつけている現代社会の実態には恐れ入るものがある。
 しかし「アール・ヌーボー」が、民衆の思想を反映して、世界各国から自然発生的に沸きあがったものに対し、「文化庁」という国が支え続ける構図といい、「メディア芸術」はどこか幼さが漂っている。
 逆に「メディア芸術」の“何でもあり”といった状況は、世紀末に開花しながら新世紀を迎えて形骸化した「アール・ヌーボー」の変遷とラップしてしまう。

 この先、「メディア芸術」というジャンルを明確にすればするほど、二番煎じのアーティストを育てる結果にならないか、また村上隆やヤノベケンジ、ジブリや海洋堂のような気鋭のアーティストや造形集団の誕生を阻止してしまいかねないかと、考えさせられる展覧会であった。 【池村明生/取締役】