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12月に入ると、街なかには様々なクリスマスの飾り付けがお目見えする。商業施設では人のにぎわいをつくり出す目的から、イベントプログラムと組み合わせたアーティストやデザイナーによるオリジナルなイルミネーションが話題づくりを担う。
一方、都心から離れた郊外の住宅地でも、クリスマスのイルミネーションは花盛りである。特にファミリー層が集まる新興住宅地では、街灯など要らぬほど、ストリート全体が輝く一画も多い。
そして30年以上も前に開発されたニュータウンでは、意外な風景に出くわすこともある。周辺の老人世帯がつくリだす闇のなかで、一際目立つイルミネーションハウスが、新たなムーブメントを予感させてくれる。
見るからに洋風テイストの戸建住宅には、小さな子どもを持つ、若くて元気いっぱいのパパがいるはずである。
塔屋を中心とした大胆な飾り付け。2階の軒下から庭一面に掛かる巨大な光のドレープ。通りに面した正面にも様々な色のイルミネーションが施される。さらに家を埋め尽くすほどの光の中にはたくさんの鹿のオブジェが点在し、玄関前には等身大の2体のサンタクロースが並び、身体を揺らしながら歌を口ずさむ。
その景色はある意味異様な景観ともいえるが、その家の主人には脱帽してしまうほどのパワーがみなぎっている。 素人とは感じさせない材料の調達と、ダイナミックな演出方法。またセンスをも感じさせる空間コーディネイト。住宅地の奥まった場所にもかかわらず、クルマでやってくる人も絶えないようで季節限定の名所となっている。
名もないニュータウンのイルミネーションハウスではあるが、こだわりをもつ人が成す技は、人を魅了する力を秘めていた。 【取締役/池村明生】
彫刻家やプロダクトデザイナーにとって、「材料」は重要なイメージ源である。 それぞれの「材料」が持つ美しさや特徴をいかに活かすかが、クリエイティブの醍醐味となっている。
この11月に開催された東京デザイナーズウィーク2006に、羊毛などの繊維を縮絨(しゅくじゅう)してつくられるフエルトを使った、ユニークなインテリア材「フエルトユニット」が登場した。 この作品をデザインしたのは、プロダクトやインテリア、アートなどの領域を超え、家具や照明、オブジェなど多彩な作品を発表する安藤健浩。今回の開発では、フエルトという新たな材料に出会い、水を得た魚のごとくに、クリエイターとして楽しめたようである。
「フエルトユニット」は、『cuma』(クマ)と『cross』(クロス)と呼ぶ、2つのパーツが基本となっている。現在は、白/黒/赤の3色が標準仕様であるが、フエルトの種類を変えることで、色彩豊かな表情をつくることも可能となる。 パーツそれぞれを自由につなぎ合わせることで、ラグやアクセサリー、照明カバーや空間を仕切るパーティションとして機能する「フエルトユニット」は、毛の繊維を絡めるように圧縮させるフエルト特有の、温かで、工業的な質感を残しながら、現代の居住空間にフィットする、センシティブなアートエレメントとなっている。 【池村明生/取締役】
写真&資料提供:安藤健浩