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今、仮囲いが熱い。
街と建築現場を仕切る仮囲いに、新たなムーブメントが起きている。
従来ならその表情は、頭をさげるヘルメット姿のイラストか、さわやかな風景や花の写真でお茶をにごす程度であったが、ここにきて街並みの景観に溶け込み、工事現場の取り組みを積極的に伝える仮囲いが、アートやデザインの力を借りて出現しはじめた。
人通りの多い日本橋や銀座、新宿周辺では、そんなおもしろい仮囲いに出くわす。
下の写真は、地下鉄三越前駅の解体現場の仮囲いである。

由緒ある日本橋の景観に配慮してか、江戸時代風の古風な街並みをイメージさせる表情をつくる。防音壁の表面にプラスして取り付けられたのは、漆喰風の仕上げと杉板による外塀。表通りだけではなく街区全体を一周する徹底ぶり。
漆喰壁のところどころには、街への想いを伝えるテキストがグラフィック化され、工事現場に掲げられる許可表示も、昔風の立看の中に収めているのが何ともいえない。


さらに銀座で「?」と感じる仮囲いを見つけた。

一瞬でその意味を感じとることは難しかったが、「?」を感じさせることでより親近感が沸いてくる。さらに横断歩道の正面にあたるそのポジショニングが、より意外性を強調する。

10パーツで構成される透明水槽の中には、ホースや鉄、木片など異なる端材が落とされ、表面にはメスシリンダーのように、下から上に月日が刻まれていた。
隣に記された情報によると、デザインしたのは「SOUP DESIGN」。
都心に向かう勤め人たちが我先に手を伸ばしてしまう0円雑誌「R25」のエディトリアルデザインを手がける尾原史和氏が参加する異業種デザインユニットである。


この先進的な仮囲いのテーマは『分別回収』。
工事現場から発生するリサイクル可能な10種類の端材が、工事終了となる2007年7月に充填されるように、月日を表す数値が計画的に目盛りとして記されているのであった。

設営期間が中長期に及び、街の景観に影響を与える仮囲いであっても、これまで気を遣われることは少なかったが、ここにきてようやくその価値が見直されはじめている。
事業者や施工者の都合による一方通行的なしつらえではなく、街との共存をはかるメッセージボードとして、さらに工事現場のアカンタビリティを担うオブジェとして、仮囲いは今、期間限定だから可能なアーティスティックな表情で、通りすがりの人たちとコミュニケーションをはかるメディアとなった。 <池村明生/取締役>
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