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意外な組み合わせであるが、納得できるコラボレーションでもあった。 室町時代から続く和菓子の老舗、虎屋が主催する展覧会「和菓子アート」展が開催された。
和菓子の魅力は、美味しさだけではなく、色やかたちの美しさ、季節を凝縮して五感を刺激する芸術性にある。その意味で、古くから暮らしに彩りを与えてきたアートともいえる。 展覧会には特別出品のアーティストを含め5名の作品が展示され、アートを通じて和菓子の魅力を伝えている。
圧巻は永田哲也の作品。 会場奥の幅4mほどのスペースに、落雁や金花糖などの干菓子作りに欠かせない木型から型取った和紙の作品「和菓紙」が、モチーフごとに構成されインスタレーションされた。 かつては大ぶりの木型を使ったお祝いの菓子が盛んに作られたが、永田は「鯛」や「松竹梅」「宝船」「四季折々の花」など日本の伝統意匠を、アートというかたちで蘇らせる。 永田自身も木型を数多く所蔵しているが、さらに本展では、古い木型を所蔵する和菓子店に協力を求め制作した。地域、製作年代も異なる木型からは、木型を彫った職人それぞれの技や思いが感じられる。
その他、様々な種類の木で一つひとつ丹念に作り上げあげられた、さわって遊ぶことのできる青柳豊和のユニークな和菓子オブジェ。実際の和菓子づくりの作業を詳しく知る、福留千夏の樹脂粘土でできた5mmほどのミニチュア和菓子。 さらに亀井紀彦の微妙な色が浮かぶ透明なオブジェが、亀井と虎屋職人とのコラボレーションによって創作された和菓子と対比され、会場は、和菓子の楽しさ、おもしろさ、また美しさを感じとるコミュニケーションの場となっている。
歴史や伝統に触発され、アート活動を行うアーティストは意外と多い。 今回の展覧会は、そのようなアーティストの視点や姿勢をすくいあげながら、その原点である現場に引き戻したかたちの企画展であり、和菓子を愛するキュレーターの技が感じられるものでもあった。 【池村明生/取締役】
和菓子アート展/11月1日~30日/虎屋ギャラリー(東京都港区赤坂4-9-22)