SPグループの気ままに観察日記
SP部門のみんなが見た色んな物、その感想をUPします。展覧会あり、自然あり、遊びあり、建物あり、街で見た変な物あり。一見「何これ?」と思ってもそう言う物こそが後で役に立つのです!

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11.画家が書くエッセイ 2006年11月02日 10:33

 ときどき、“絵描き”が“物書き”に変わることがある。

 画家は物に対する見方がおもしろく、とっつきやすい文章で表現されると、絵をみる以上に、納得させられることもある。
 小難しい言葉が並ぶ美術評論のような内容は、余計に難解な世界に入ってしまうが、日常的な事例を挙げながら自然な語り口で流れるエッセイは、意外と楽しい。

 朝日新聞社から12冊の新書シリーズが創刊された。
 その中の1冊に、日本画家千住博の「ルノワールは無邪気に微笑む 芸術的発想のすすめ」がある。
 一般の人の素朴な質問に対して、世界を駆け巡るアーティストである千住が明快に答えていくという、読みやすい編集企画。たぶんこの企画自体、千住自らが企てたのではないかと想像した。

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朝日新書007 「ルノワールは無邪気に微笑む  芸術的発想のすすめ」 千住博著
740円(本体価格)/ 777円(税込価格)  2006年10月13日発売  新書判並製■256ページ

 たとえば「受験に対してどう思うか?」。また「インテリアコーディネイトのポイントは?」「落ち込んだときの対処方法は?」「芸術家にとっての経済とは?」など、普通の暮らしをしている人でも興味がもてる疑問に、次から次へとアーティストのフィルターが重なっていく。

 本の中で千住も書いているが、芸術活動は絵を描く時ばかりではなく、食事していても、風呂に入っていても、リビングでくつろいでいても芸術活動が連続しているという。
 千住にとって、絵筆も持たずにエッセイを書くことも、コミュニケーションを図るための大切な芸術行為なのである。

 ニューヨークに生活の場を構え、世界を見据えて挑んでいる千住の素顔が見えたようで、すべて読み終え元気をもらったような気がした。
 次は、久しぶりに野見山暁治の「四百字のデッサン」でも読み返したいと思った。【池村明生/取締役】