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場所は新宿御苑の広大な芝生の真ん中。 植物の胞子を連想させる高さ6mのアートオブジェが点在した。
アートオブジェは、環境芸術学会が募集したフィールドアート共同作品コンペを通じて選考された作品で、タイトルは「ヴァルデスランド 〜絶滅危惧種の植物たち〜」という。
新宿御苑をステージとした複数アーティストによる共同作品が条件であったこともあり、「ヴァルデスランド」は新宿御苑において保存・育成につとめる“絶滅危惧種”を作品のテーマとした。 “絶滅危惧種”といっても一般にはわかりにくいが、絶滅の危機にある動植物を括る言葉で、国内の植物では1/4ほどの種類が指定されているらしい。なかには、キキョウやヒメユリ、タチバナなど、日本人が古来より親しんできた植物も多い。
「ヴァルデスランド」は、フラッグで構成するアートオブジェをきっかけに、“絶滅危惧種”の世界に引き込む作品である。
大都会を駆け抜ける風がオブジェを揺らし、御苑を訪れた人たちが近づく。 そして、オブジェ中央に設置されたQRコードを撮影すると、御苑での“絶滅危惧種”の取り組みが紹介される。 また作品の一部として作成されたWEBサイト(http://www.waldesrand.com/)では、“絶滅危惧種”をテーマとした様々な情報が発信された。
いうなれば「ヴァルデスランド」は、“絶滅危惧種”を解説する展示物である。 植物をイメージさせ風に揺れるしなやかなアートは、花粉を散らすごとく人々を惹きつけ、インタラクティブなスタイルで鑑賞者にコミュニケーションをはかる“オープンミュージアム”となっている。
ヴァルデスランド 〜絶滅危惧種の植物たち〜(田中智博/松浦圭祐/さとう葉)