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今回も先回に続いて、ユニークな仮囲いを紹介したい。
場所は新宿駅南口。 昼夜を問わず様々な人が往来する、線路を高架する橋の上である。 橋の架け替え工事に際して何年ものあいだ露出する仮囲いの壁面に、ユニークな表現が展開された。
この夏からお目見えしたのは、新宿で過ごす普通(?)の人々を写した多数のポートレート写真。 高さ3mほどある壁面を目一杯使い、等身大以上の大きさの人物がダイナミックに引き伸ばされている。 テーマは「新宿ID」。新宿の今(アイデンティティ)を様々な人物の表情や生きざま、また周囲の雰囲気で表出させようとした試みである。
プロジェクトを引率するのは、アーバンアーキテクトの韓亜由美。自ら新宿で生まれ、新宿南口の橋の架け替え工事に合わせた「新宿サザンビートプロジェクト」には、ひとかたならぬ思いで臨んでいる。 「新宿ID」はこのプロジェクトの第2弾。2005年に実施された第1弾は「新宿・青春のワード」をテーマに、年代別の出来事をキーワードやイラストレーションで表現しながら、インパクトのあるグラフィックウォールに仕立てた。
「新宿サザンビートプロジェクト」には、“工事現場に近づいてもらいたい”“工事を自らのことと理解してもらいたい”といった思いが基本にある。 大きなポートレート写真のあいだには、壁面のあちこちに小さな穴が空けられ、通りがかりの人たちの興味を誘発する。 <池村明生/取締役>