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全国の都道府県には、地域の誇りとなっている国立大学が存在する。
“駅弁大学”と揶揄されながらも、それぞれの大学は地域固有の価値を創出する教育現場として、半世紀ものあいだ様々な知識人を輩出してきた。そして最近では、若年層の人口減少と国立大学の法人化を迎え、私立大学とのあいだで学生の獲得競争が繰り広げられている。
国立大学法人埼玉大学も同じような状況である。
教養、教育学部など5つの学部で構成される埼玉大学では、周辺地域および地方からの学生獲得を含め、大学のイメージアップに力を注がれ、大学の新しい顔となるビジュアル・アイデンティティ(VI)が求められた。
VIの基本となるシンボルマークのデザインにあたっては、埼玉大学でデザイン教育を担当する教育学部の高須賀昌志助教授に任されることになる。さらに基本デザインをVIシステムにまとめる役割として、外部ブレーンを含めたプロジェクト体制が整備された。国立大学法人といえども役所のような組織であり、説明しやすい体制づくりが必要であった。
高須賀助教授は彫刻作品を制作するアーティストである。また子どもたちが遊ぶ野外オブジェなどをデザインする造形作家でもある。
プロジェクトでは教育者の立場を超え、デザイナーまたアーティストとしての才能が発揮され、シンボルマークとともにモニュメントも誕生した。大学構内のエントランスには高さ7.2mのモニュメントが、シンボルマークと関連づけながらつくられた。

大学のエントランスにそびえるモニュメント(デザイン:高須賀昌志)
モニュメントのテーマは、『地にのぞみ、知をまとう』。
“さきたま”と呼ばれた埼玉の地のアイデンティティを掘り起こしながら、その地で学ぶ教員や学生たちの姿勢を表現したコンセプトである。モニュメントは同じ考え方によって策定されたシンボルマークとともに、これからの埼玉大学を支える関係者それぞれのスピリットに結びつくことが期待されている。
<池村明生/取締役>

大学の新しいシンボルマーク(基本デザイン:高須賀昌志)


VIシステム例(システムデザイン:バール/プロデュース:環境計画研究所)
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