かんばん記事
都市景観に広く関わる「看板」について、マーケティング的価値と景観視点の合意点を見いだす。
かんばん記事 その7 ロードサイド飲食店 2007年01月12日 16:10

 今回はロードサイドにある飲食店の看板について考察します。

 下の写真でお分かりのように、店は違えど、看板の形はほとんど共通しています。どの店も、高いポールの上に、自分の店の名前を掲げて、根元の方に駐車場への入り口を示しています。これは、道を走るドライバーにできるだけ早く(つまり、遠くから)自分の店の存在を教えて店舗選択のきっかけを与え、店に近づいた時には、よりスムーズな入店を促すべく駐車場の入り口を示す、というロードサイド店舗に共通した構造に基づいているからです。

 では、違いはどこにあるでしょう?
それは、キャンペーン商品(新商品)の告知の仕方にあります。まず、(1)、(2)、(3)は新商品の告知を看板ではしていない例です。(3)の場合売っている商品は年中変わらない業態なので、そもそも告知する必要がないのですが(ただし最近は「牛丼復活」などやや事情が違うかもしれません)、(1)、(2)は少しもったいない気がします。


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 (4)、(5)、(6)は告知している例です。結論から言うと、この中では(4)が一番優れた例だと言えるでしょう。それは、懸垂幕形式で新商品の告知を高い位置に大きく出すことで、より遠くからそれを認識できるようにしているからです。このことは、前の道を通るお客さんの目線から考えると、店名を見ると同時に新商品を認識するということになり、「あ、今はこういう商品を売ってるんだ。ちょっと試してみようかな。」と、思わせる余裕を駐車場を通り過ぎるまでに与えることにつながります。つまり、新商品の告知が、来店の機会を増やすことにつながるのです。特に、浮動来店客を対象にした店舗では、このようなちょっとしたきっかけが、顧客を獲得する重要な要素になると考えられます。
一方、(5)は新商品の告知を、のぼり旗で行っています。新商品を告知することには意味があるのですが、この形式では、車に乗ったお客さんが旗を見るのは、店の横を通り過ぎる時で、新商品を知った時には既に駐車場を通過してしまっているという状況になり、いただけません。そして、最も良くない例は(6)です。そもそも、このお店は売っている商品が(3)と一緒で年中変わりません。つまり、そもそも交換することを前提としたのぼり旗で商品をアピールする必要はなく、アピールしたければむしろ固定看板でもっと大きくしたほうが良いと思われます。さらに、こののぼり旗のせいで、駐車場への誘導サインが隠され分かりにくくなっていることも良くありません。

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 このように一見同じように見えるロードサイド飲食店の看板にも、情報伝達手段として何がお客さんに必要かつ有効かという視点で考えると、違いが見えてくるものでした。(添田)

中村さん、2007年 かんばん記事 のキーワードを教えてください。 2007年01月01日 00:00

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2006年は、看板にとって、いろいろな新しい動きが出てきました。特に大きな話題は、京都市が条例を改正し、2007年度から市内全域屋上の点滅照明広告を禁止すること東京都が臨海地域の屋上広告物を規制する方向で検討を始めたことでしょう。

この他にも、佐賀県では交差点などの条例で定めた禁止区域の看板広告の規制強化を強めていること、沖縄では電柱広告の全面禁止で議論を呼んでいることなど、特にこの年末にかけて看板に関してはいろいろなニュースが入ってきています。(東京屋外広告ディスプレイ健康保険組合の組合員であるカンケンとしては座して見逃すわけにはいけない自体だ。なんちゃって。)

さて、2007年のかんばん記事のキーワードですが、おそらく、「ニュース」だと思います。いままで、看板に関しては、あまり報道されることがありませんでしたが、2007年にはおそらく「ニュース」として取り上げられるような問題になると思われます。

2007年は、こうした動きに対応し、ニュースな話も盛り込んだブログにしていきたいと考えています。

<中村 仁/取締役>

かんばん記事 その6 GSかんばん余話 2006年09月21日 15:08

 前回はガソリンスタンドの看板について触れましたが、今回はそれに関する余談を2つほどしたいと思います。

その1.看板価格の謎
皆さんご存知だと思いますが、店頭でガソリンが売られている価格は1つではありません。「現金価格」、「会員価格」、「クレジット価格」、「プリペイド価格」など、同じガソリンでも、その支払い方法などによっていくつかの値段が設定されています。では、店頭の看板に記載されている値段はこのうちのどれなのでしょうか?一般的には、一番高い「現金価格」で表示されていることが多いようです。その価格に対して、会員になった場合は2円お得になりますというような「会員価格」が設定されている訳で、これは理解できます。

 しかし、一部のGSでは、同じ「現金価格」でも、看板に書かれた価格と実際に入れる時の価格が違うというようなことがあります。下の写真にあるセルフスタンドの例では、表の看板にはレギュラー139円と出されていますが、実際には136円で入れられます(いずれも税込み)。そして、そのことを示す張り紙が清算機の上に小さく貼られています。実際に入れる価格の方が安いので、問題になるようなことはないのですが、では看板に書かれている価格はいったい何なのか?という疑問が沸いてきます。どうせ安く売るなら、より安い価格を表に出した方が、集客効果が高まるというのは普通に考えられることですが、そうなっていないということは何か事情があるのでしょう。

 自分なりに下記のような理由を考えてみましたが、どれも今ひとつ説得感に欠けるような気がします。どなたか真相をご存知の方、教えてもらえませんでしょうか?

推定理由1.お得感の演出
実際に入れた時に「看板価格より3円も安いじゃない。お得だわ。」と思わせるため。しかし、高い看板価格を信用して店に入らない人もいる訳で、あまりいい作戦だとは思えない。

推定理由2.変更の手間の軽減
 ガソリンの価格は日々刻々変化していて、表の大きな看板の価格をいちいち変えるのは面倒なため。しかし、観察したところ少なくとも一週間は同様の販売価格が維持されていて、そう頻繁に変更するものでもなさそうです。

推定理由3.他店との兼ね合い
 本当は安い価格を表に宣伝したいのだが、他店や業界の組合の関係などで、大っぴらに宣伝することができないため。これは最もありえそうな理由という気もしますが、消費者にとっては分かりにくい限りですね。。。

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その2.上手い看板
 先日、新聞に、あるガソリンスタンドの話が載っていました。その店は、北海道の宗谷岬の近くにあるのですが、ある看板を出したところ売り上げが伸びたそうです。その看板は「この先90kmスタンドありません」。これは、自分の店の立地と、ユーザーが求める情報とをうまく組み合わせて集客に結び付けた、上手い看板の事例と言えると思います。看板とは、ただ店の名前をデカデカと出すだけではなく、こういう工夫を取り入れたいものです。
 この記事のダイジェストは下記に載っています。
http://www.asahi.com/special/summer2006/TKY200607220560.html