宮崎一郎/代表取締役
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電子書籍が話題になっている。私は音楽レコードがCDに取って代わったときの複雑な気持ちを思い出した。音楽CDも既にネットダウンロードに代わろうとしている。いずれも素(デジタルメディア)だけを取り引きするスタイルだ。
レコードが存在しなかった時代、音楽は演奏会と楽譜売買がビジネスだった。それがレコード(録音技術)の発明により強大ビジネス化した。同様に書籍は印刷技術の発展によりビジネス化した。その昔、書籍は書き写すものであり、音読しながら書き写したものらしい。中世ヨーロッパの図書館の読書室は各に仕切り壁がついている。おそらく想像するに図書館は、お経を唱えるお寺のような状態だったのではないか。
話が少しずれた。このように、過去コンテンツは技術開発によりビジネス化されてきたのだが、デジタル技術の発達はビジネスを縮小化しそうだ。CDや書籍という既存のパッケージビジネスの終演が告げられ、新たな時代が到来しつつあるということだ。
デジタル化されたコンテンツが簡単に取り引きできるとなると、出版社もレコード会社も厳しい。消費側はどうしたって安さを歓迎する。既に米国における電子書籍の売上が本売上を超えたというニュースがあったが、この傾向に間違いはないと思う。
ありとあらゆるメディアがネット上で容易に入手できるとすると、メディアの価値は変わらざるを得ない。圧倒的な数量で流通する素メディアの価値は下降し、数に限りがある編集や付属もの(パッケージ)の希少性価値が高くなる。とんでもない贅沢なメディアが現れるかもしれない。あのローリン・ストーンズは、既に21万円もする豪華パッケージを売り出している。
話は変わるが、中目黒の目黒川沿いにはセレクトショップが立ち並ぶ。続々と増えるところを見ると人気が高いのだろう。Tシャツやジーンズの原価は知れているが、セレクトショップのそれは結構高価な価格付けがなされている。独自の視点(セレクトの価値)が認められているに違いない。独自の・・・が、ますます重要な時代になってきた。夏休みは電子書籍でも試してみるとするか。
<代表取締役 宮崎一郎>