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あかりのレッスンも徐々にレベルが上ってきています。
今回の宿題のテーマは建物とあかりの役割分担について。
課題は
(1)ネライの明確な施設(空間)の写真を撮り、
(2)そのネライに対して建築はどのように設計しているか
(3)建築のネライを照明がどのように補っているか
(4)ネライに対して「建築」:照明は、何対何ぐらいで役割分担しているか?
という内容でした。
wakanaさんが選んだのは、客を現実の世界から非日常の世界へ誘(いざな)う、
TOHOシネマズ六本木ヒルズの顧客導入通路の空間。
選んだ施設が良かったですね。施設のネライが明確ですから、それに対する設計の意図、
照明の役割、すべてwakanaさんの解説通りで、今回は「言うことなし」の出来栄えです。
最後のコメントにもあるように、施設のネライを考えたり、照明との役割分担の程度を考えたりすると、従来よりも一歩踏み込んだモノの見方ができます。
照明というものは、自らを主張するものではないことは明らかですが、建築に従属するものでもありません。重要なことは、そこは何が行われる場所なのか、どうあるべきなのか、の判断です。
1月28日の日曜日、リスボンのジェロニモス修道院で開催されたベルリン・フィルのヨーロッパ・コンサートの録画番組を見ていた私は、コンサートホールの照明の悪さを、ボロクソに貶(けな)しておりました。まったく何を考えてライティングしているのかわからないヒドイ照明でした。
問題点は2つ。
ひとつはジェロニモス修道院の特徴であるドーム天井の美しさが光によって
かき消されてしまっていたこと(≪景色≫づくりがなっていない)。
もうひとつは、美しいはずの楽器に艶も風合いもなく、薄汚く見えたこと(そのものらしさ、つまり≪モデリング≫に失敗している)。

自然光でみたジェロニモス修道院の天井
こんなふうに文句を言え、という意味ではありませんが、見ていると思わず、これはなんだ!・・・と言いたくなる照明に出くわすことがあります。それとは反対にうまいな〜と感心する照明に出会うこともあります。
課題は前回と同じで、今度は気軽にいろんな施設、ライトアップをピックアップして、
それらについて、どうダメなのか、どんなふうに良いのか、解説してみてください。
参考になるかどうか、わかりませんが、

この写真は、西銀座駐車場に隣接する銀座東芝ビル地下一階の通路です。
閑散としがちな地下通路の照明としては、とてもユニークです。通路にありがちな単調さを打ち破り、メロディすら感じられます【≪景色≫づくりがうまい】。
内装材と照明方式のおかげで充分な≪あかるさ≫も確保されていますから、安心感、清潔感があって、さらに遠くからこちらに向かってくる人の表情は、まるでハリウッドライトに照らされたように読み取りやすい【≪モデリング≫がしっかりしている】。
反対に、こりゃなんだ!と言いたくなるのが下の写真。

同じ東芝銀座ビルの地下のレストラン街の通路です。
ダウンライトあり、ライン状の下面開放の蛍光灯器具あり、壁面の間接照明ありで、とりあえず、思いついた照明器具をぜんぶ、配置してみました、という照明です。壁の間接照明も、光沢のある床面に光源がすべて映りこんでいるため、気持ちは間接照明でも、実態は直接照明になっていて、さらに混乱を招いています。
施設の意図も、建築の意図も感じられません。だから・・・というわけではないでしょうが、照明が我が物顔で、とりあえず最新作を手当たり次第に取り付けてみました、という状況です。
この事例が極端なのかどうかわかりませんが、ネライが不明確な空間ほど、悲しい空間はありません。
竹内義雄
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