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前回の宿題は、(1)空間の目的や機能を理解し、(2)照明が果たすべき役割を踏まえた≪景色≫づくりについてレポートせよ、という課題でした。
難題だったようで、ずいぶん、あちこちの施設を視察したようで、苦労の跡がうかがえます。
せっかく頑張ってくれたwakanaさんのレポートですから、一部、添削してみましょう。
(1) 新高島駅ホーム

なぜこのように天井が高いのか、その理由はわかりませんが、プラットホームには珍しい縦長のプロポーションの空間です。プラットホームを支える六角形の列柱が、縦長のプロポーションの空間の中では一層際立っています。
人があふれて危険の多いプラットホームですから、この空間に対する照明の役割は、明るさの確保は無論こと、空間の形、動線の方向を明確にすることだと考えられます。
その役割を果たす照明手法としては、大型のダウンライトで壁面と柱を照らし出し、壁と柱の存在を強調するのが良いと思います。
実際の照明手法を見てみると、ダウンライトが規則的に配置されています。これは、プラットホームの床面の照度を確保するのが主たるネライですから、安全という役割だけを意識していると思われます。
空間の形を示し、動線の方向を明確にするために、壁と柱を際立たせなければならないという役割意識があれば、ダウンライトは規則的な配置ではなく、壁寄りのダウンライトはもう少し壁側に移動すべきで、柱の頭部にダウンライトが動線方向に一箇所ずつ配置されているべきです。
(2) 新高島駅地下通路

これほど愚かな空間を見たことがありません。設計者とアーティストと照明担当者がみごとにバラバラです。
みなさんは、この写真を見て、この通路の断面の形、わかりますか? 長方形のようですが、左半分はかまぼこ型のようにも見えます。
公共の空間で、空間の形が一瞬で理解できないということは、照明がその役割を果たしていないことになります。
また、黄色い(金色?)のアート作品も立体のアートなのか、円盤のような平らなアート作品なのか判然としません。これも照明がまったく役割を果たしていない結果です。

これは、先日、旧本館法務省(赤レンガ棟)が一般開放されたとき、撮った一階の通り抜け用の通路の写真です。
この空間の建築的特徴は、動線と直角方向に配された連続したボールト状の天井である。
この空間に対する照明の役割は、この天井の形を際立たせるという≪景色≫づくりをすることで、通路の動線方向を明確にし、人を導き入れる雰囲気を醸し出すことにあります。
ところが、実際の照明はどうでしょう。建築の形とはまったく無関係に、器具そのもののデザインにこだわったブラケットを取り付けています。天井にダウンライトを取り付けて明るさを確保するよりは、多少マシですが、到底空間を理解しているとは思えない照明です。
さて、次回の課題
ここまでくると、照明と建築との係わり方というものがぼんやり見えてきたのではないでしょうか。
これからは、常に「建築」と「照明」という二つの要素から施設を観察してみてください。
良い「照明」というのは、「建築」のネライをよく理解した照明手法を採用している、ということになります。
また良い「建築」というのは、ネライを達成するために「照明」に役割を果たす余地を残している建築ということになります。
さて、宿題です。
(1)ネライの明確な施設(空間)の写真を撮ってください。
(2) そのネライに対して建築はどのように設計しているか?
(3)建築のネライを照明がどのように補っているか?
(4)ネライに対して「建築」:照明は、何対何ぐらいで役割分担しているか?
物件数は少なくてもよいですから、しっかり観察してみてください。
<竹内義雄/代表取締役>
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