中目雑記
竹内所長のカンケン流照明プランニング術。新人所員が実践を通して「ひかりのレシピ」に挑戦!

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OTEMACHI CAFFに行ってきました 2006年07月20日 10:00

note_0.jpg ーOTEMACHI CAFFに行ってきましたー

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「デザインの窓」・・・竹村真一氏(Earth Literacy Program代表/京都造形芸術大学教授)とゲストによる月一回程度開催している講演会に行って来ました。
今回(7/6)のゲストは都市の光環境デザインのトップランナー・面出薫氏です。
(Lighting Planners Associates 代表取締役/武蔵野美術大学教授)

内容は、世界中で手がけた都市照明デザインの実績、これまで面出氏が各国を旅して見てきた光環境のスライド、「100万人のキャンドルナイト」の賑やかな動画などを中心に、これからの都市のありかた、光と人の関わりについて、など興味深い内容ばかりでした。

日本は、豊かさの象徴として、高度成長期の頃から街には光があふれていきました。そんな中、面出氏は、ただ光を足すばかりでなく、光を引き算していき、「光と闇」の心地よい空間をデザインできないだろうかと工夫してきたそうです。

「JR京都駅」では必要な部分だけを照らし、適度な闇を作りました。適度な闇は人の心を落ち着かせ、光のある部分を引き立たせ、雰囲気を作ります。
「せんだいメディアテイク」では、夕刻になると光柱だけが際立ち、建物は空に溶け込むように見えます。光を介して、空の美しさに気付いたりできる、そんな光環境です。
「東京国際フォーラム」は面出氏率いるLPAの初期の代表作ですが、照明計画から実施に至るまで、なんと1/1000から1/50まで縮尺を変えた模型を作り検討したそうです。

光を使って、心地よい雰囲気や匂い立つような気配を作れるなんて、素晴らしいなぁと講演会を聞いていて感動しました。

「闇を楽しむ事」が「光を操る技」へ繋がるのではないかと感じた講演会でした。

→→→ OTEMACHI CAFF ホームページへGO

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<日向若菜/コーディネーター>


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あかりのレッスン その3 2006年07月19日 09:47

帝国ホテルの照明

今回wakanaさんが「お気に入りの場所」として選んでくれたのは、格式と伝統を誇る帝国ホテルです。撮影できた写真は、エントランスロビー、フロント、新館と本館の間の車寄せ、そして地下のショッピングアーケードです。ホテルの場合、プライバシーの問題もあって撮影が難しく、パブリックなエリアに限られます。

まずステップ1の(主役はだれか?)という点については、wakanaさんの言うとおり、ホテルのロビーでの主役は、パーティ出席や宿泊目的で来館されるお客様です。
来館者を主役とした場合の照明の考え方には2つのポイントがあります。

ひとつは、来館されるお客様の装いを際立たせることがあかりの役目になります。
そしてもうひとつは、トップクラスのホテルとしての風格、威厳、そしてほどよい緊張感を来館者に対して醸し出す、という役目があります。

この2つの観点から、wakanaさんが撮った帝国ホテルの写真を見てみましょう。

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まずエントランスロビーは、角型の天井灯(シーリングライト)で基本的な≪あかるさ≫が確保されています。
ロビーには柱が林立しています。視覚的に邪魔になりそうなこの柱に、柱頭部に間接照明を仕込み、柱の存在感を強調すること(≪モデリング≫=柱を柱らしく見せる光の当て方)によって、ホテルのロビーとしての重厚さを演出しています。
またロビーの中央部にはシャンデリアが設えてあって、これが、広いロビーを引き締めるアイキャッチの効果となり、ホテルとしての華やかさを演出しています。
またシャンデリアには来館者の装いの中の靴やバッグの皮の光沢部分や、金属やガラス部分、そして宝石に≪輝き≫を与える効果があります。

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フロント方向の写真ですが、付近のあかりと様子が違うと感じたwakanaさんの観察眼は正しくて、フロントの後の壁がウォールウォッシャー(=壁をあたかも水で洗っているような光)による≪景色≫づくりによってホテルとしての風格を演出しています。このウォールウォッシャーは、ラウンジの大壁面にもあって、ラウンジ全体を非日常的な、アーティスティックな雰囲気で包み込んでいます。

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エントランスの写真。キャノピー(天蓋)に設えられた豪華な天井灯(シーリングライト)とダウンライトは、出入りする磨き上げられた黒塗りの車や、来館者の装いに充分な≪輝き≫を与えるはずです。

以上、帝国ホテルの照明を総論すると、≪景色≫づくり、≪モデリング≫、≪輝き≫という3つの要素を巧みに使って、トップレベルのホテルに相応しい風格・品格の演出に成功しています。
wakanaさんが心配する≪あかるさ≫不足については、明るさを要求する日本人にギリギリ理解される範囲で、目一杯、暗くしている点でも、充分評価できます。

パブリックな空間は≪景色≫づくりが大切
ホテル、中でもラウンジは、wakanaさんの言うとおり、一種の公共の場です。
公共の場の照明で大切なのは、≪あかるさ≫よりも≪景色≫づくりが大切です。
≪景色≫づくりとは、こんな空間だということを誰にでもわかりやすく示す工夫のことです。

たとえば写真1は、エレベータホールです。≪あかるさ≫という点では、充分明るい空間ですが、写真2と比べると≪景色≫づくりという概念に欠けている照明だとわかります。

写真1
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写真2
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写真3は、廊下(通路)のシーンです。≪あかるさ≫も充分ありそうですが、光が壁を照らし、通路としての表情が読み取れます。これを≪景色≫づくりといいます。

写真3
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写真4は、≪あかるさ≫よりも、≪景色≫づくりに重点を置いたパブリック空間です。壁の素材がいまひとつなので、≪景色≫づくりの効果は薄いですが、パブリック空間の照明の考え方としては、正しいと思います。

写真4
4.jpg

写真5も通路の写真ですが、構造体をアッパーライトで照らし出し、≪あかるさ≫ではなく≪景色≫作りに専念した照明を採用して大成功を収めているパブリック空間です。

写真5
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前回のwakanaさんのコメントに≪景色≫づくりという言葉がなかったのは、いまひとつ≪景色≫づくりが判らなかったからなのかもしれません。
そこで次回の宿題は≪景色≫づくり。
wakanaさんが、今回のレッスンで理解した範囲で、なかなか良い≪景色≫づくりだ、と思う写真を、パブリックな空間からできるだけ多く拾い出し、分類するなり、コメントを加えるなりしてみてください。

照明計画の中で、≪景色≫づくりを覚えれば、飛躍的に質の良い照明計画ができるようになります。

<竹内義雄/代表取締役>

次回:宿題提出日 8/8

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その2 →回答 2006年07月07日 12:58

「あかりのレッスンその2」でご紹介頂きましたwakanaと申します。
あかりの初心者ですが、「好きこそものの上手なれ」と言うように、竹内所長にご指導頂きながら、あかりのレシピを少しずつでも身につけていけたら、と思っております。
よろしくお願い致します。

宿題の回答
お気に入りの場所を題材にという事で、私の好きな場所「帝国ホテル」を探索してきました。
帝国ホテルは明治23年設立の伝統あるホテルです。
海外からの賓客を迎える日本の迎賓館として開業し、110余年、
国際交流や家族、友人のくつろぎの場として代々引き継がれてきました。
そんな伝統あるホテルのあかりを5つのステップを踏んで考えてみました。

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ステップ1(主役は誰か)
もちろん95%はホテルのお客さんが主役だと思います。
また、残りの5%はお客様の顔を認識できるようにホテルで働いている人のためにあると思います。
特にこのフロント付近は他とは違う照明の方法になっています。

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ステップ2<景色>が作られているか
エントランスはホテルのイメージを強く印象づける場所です。
フランク・ロイド・ライトの面影を感じる車寄せのシェードや、
象徴的なシャンデリアで景色を作っています。

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ステップ3<モデリング>
柱周りの間接光で柱を際立たせ、壁面も柱と同じように天井から間接光を当てています。
モザイク壁や光沢のある柱を照明で浮き上がらせ,
モデリングが完成していると思います。

ステップ4<あかるさ>
決して「あかるい」空間ではありませんが、
ところどころに、きらりと輝くシャンデリアや
壁面間接、柱周りの照明であかるさが確保されています。
また、ホテルのラウンジらしいあかるさになっていると思います。

05.jpg

ステップ5<輝き>
下の写真は地下のショッピングゾーンです。
ここにも天井からシャンデリアが吊され、古風な雰囲気ではありますが、
帝国ホテルらしい品と華のある空間になっています。
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ホテルのラウンジという場所は、公共の場ではありますが、
ちょっとくだけた雰囲気(くつろぎ、歓談等をする場所)だと考えます。
そのような空間の雰囲気作りに照明の効果がかなり影響してくると思いました。
帝国ホテルでは、あかるさが少ないながらも、
ポイント的に天井の間接光とシャンデリアの「輝き」が効いていると思います。
明るさを少なくすると落ち着いた空間になりますが、
さもすると暗く陰気に感じてしまいそうです。
そうならないために、5つのステップの中で、
特に大切なポイントはどれなのでしょうか。

<日向若菜/コーディネーター>

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