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ものの見方・考え方(5) 2008年11月20日 09:00

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ービジネスの基本的な考え方ー

ビジネスの場で基本的な考え方を次のとおり5項目で紹介します。
1. 直視する
われわれはものを見るとき、世間の常識や建前にこだわります。しかし異質の視点はものごとを多面的に見るために必要です。日本人は人を疑うことを良しとしない風潮があり、ものごとを徹底して考え抜くのが不得手です。これは権威への信仰が強いためでもあります。直視とは、先入観を抜きにして事実を正しく見つめる多様な思考法の1つです。つまり個人の主観を離れてものごとの本質を考えます。人は心情とか誠意といった主観的な要素を尊重しがちですが、その素朴さは権力、権威に太刀打できません。冷徹さでものごとに即して考えてこそ、直視が可能です。

2. 具体的に考える
考えるとは曖昧な事実を掘り下げ、包括的かつ具体的に対応策をつくり出すことであり、建前論、抽象論や精神論はものごとを具体的に考えているとは言い難しです。われわれはものごとを一般化して機械的に判断、すなわち類型化したり、事実で無いことを事実と思いこんだり、不足な情報を自分の思いこみで補完してしまう恐れがあります。
また人はしばしば理性より感情で行動します。しかし感情は具体的な思考になじみにくいもので、具体的に考えることは、現実的手段を踏むことであり、状況に流されず主導的に状況に関与します。

3. 問題の解決策に選択肢(オプション)を
ビジネスには正解はなく、選択肢があるだけです。問題が深刻であるほど、複数の選択肢があれは袋小路に追いこめられません。単純化の代表例として二分法がありますが、ものごとを二者択一白か黒か、肯定か否定かなどーに分類して俗受けされやすいものの、現実は多様で複雑です。例えば改革はやるかやらないかではなく、どのように、いつまで改革するかであったり、企業提携も提携するかしないかではなく、どのような条件でどのように提携するかです。企業が陥りやすいワナは、スローガンとか目標が一種の精神論になり、それを具体化する手順を伴わないことです。目標と手順はどちらが欠けても達成できません。

4.共感する
われわれは自分の思いこみを離れて、ものを見るのは至難の業です。客観的に見ていると思っても自分というフィルターを通じて見てしまいます。同様に考える場合でもその人の視点から見ます。交渉ごとや会議でも“私の意見は正しい”“あなたの意見は間違っている”と言う場合、正しいか否かは誰が判断者かの問題にかかわります。意見とは、ある問題について個人の考えであり、事実とは異なり複数成立します。多数意見はあっても、正しい意見は無いようです。従ってものごとには、必ずしも唯一の正解はなく、多数の見解があるわけです。
次に反対意見や少数意見に接した場合、あしざまに批判せず、そういう考えもあるのか、あるいは意見として受け入れる度量も大切です。ビジネス界では、反対意見を吟味すれば、よりよい解決策が作りやすくなる場合もあります。共感性がないと、他人を理解することも、他人の行動や反応を推測することもできません。要約すると、意見の違いや立場の違いを理解する柔軟性の有無です。
部下の感情を無視してことを進めるのがリーダーシップと誤解しがちですが、その根本に細やかな他人への共感がなければ、統率はできません。

5.全体を見渡す目
企業運営でも将来を見通すことが大切であるものの、始めるのは比較的簡単でも始めたことを止めるのは難しく、事前に将来の結果を慎重に考察する事が大切です。えてして“なんとかなるだろう”という根拠のない楽観的立場をとりがちになるため注意したいところです。私の経験から言えば、企業で最も難しいことは企業・事業の撤退でした。
俯瞰型思考とは、大空を飛ぶ鳥が地上の風景を見下ろすような視点を言いますが、このことは自分を客観視するために大切です。そうでないと現実に一喜一憂したり、右顧左眄を強いられます。高所からものごとを考えれば、自分を見る目も変わります。自分を相対化でき権威を盲信することもありません。目先の仕事に秀でた人でも、局所しか見えてない人が多くいます。しかし局所(部分)最適か全体最適かの選択も、判断が難しい事柄です。自分の主観にこだわり視野が狭くなってくると、目の前のことしか見えません。
絵画に遠近法があるように、現実を的確に把握して合理的に判断するには、遠くも見て近くを見るバランス感です。いわゆるマクロとミクロです。現実にはミクロに対処しつつ、ときにはマクロ的視点から見ることが現実をより正確に捉えられます。ズーム付きカメラの焦点合わせのように交互に見て融通無碍に往復できれば、ものごとを客観的かつ理性的に判断できます。

ビジネスが人間の営みであるために、知性は科学性だけではなく、人間観、世界観などの大局観が必須です。
知は専門特化せず、知の相互関係から得られる広く深く豊かな知力が未来を見通す洞察力をもたらす事を留意すべきでしょう。
最後に付け加えたいことは、情報の取扱いでデータとしての事実や数字は重要であるものの、その事実や数学が第一情報か、加工された情報かを注意する必要があります。整理された情報は便利ですが、事実や数字から実相・事実を見いだすためには、自分の頭で考えることが肝要です。

村井 徹

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