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仕事・忙中閑あり(その21) 2008年03月21日 09:00

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仕事・忙中閑あり(その21)

今回のテーマは「会社力」です。赤字企業、落ち込んだ業績を回復させた会社を経営分析すると、日産自動車、松下電器や伊藤忠商事などには、次の共通する要件があります。
(1)経営トップが何をすべきか明確かつ具体的な施策をもつ
日産は“リバイバルプラン”による社員の意識改革や徹底したコスト削減策の再建を皮切りに商品開発、販売拡大へと全社的に展開。松下電器は“破壊と創造”を掲げて、組織を大胆に解体・再編。伊藤忠は意識改革、ビジネス分野の絞り込み、縦の総合化(川下へ)等で低効率経営から脱皮しました。
(2)高いレベルの経営資源を活用する
経営資源といえば、資金や設備と捉え易いものの、その他に次の資源があります。
・ 開発・企画力が優れている
・ 有能な人材がいる(社外の人材含む)
・ 市場導入可能な製品・サービスがあるいは開発技術力をもっている
・ コスト対策が厳しく、コスト改善策がある
(3)組織能力がある
上記の(2)を活用するために、競争力のある製品・サービスを生みだす事業計画を立案し、経営トップがそれを迅速に実行できる組織編成と人材活用が実行できることです。留意点は全体として組織に自由度が許容され、ユニークなアイデアが出されても、握り潰したり、拒絶したりしない体質があることです。
(4) 利益管理の仕組みがある
社内に情報管理システムが整備され、数値だけでなく、社員、取引先のニーズ情報を経営に反映できる仕組みがあることです。
(5) 過去のしがらみを絶つ
社内組織、仕事の進め方、取引制度といった分野で守旧体質に縛られず、新しい発想で取り組み挑戦することです。

前記5つの要件は、会社の体力をつくり変えていく共通事項ですが、そこには“経営力”、“組織力”、“変身力”から成り立っています。経営力とは経営トップ陣の役割と内部組織を統一する力であり、組織力とは事業運営をしやすい組織・人員配置や社員への動機づけであり、変身力とは環境対応力で、当シリーズその17の事業組織にて記述したとおり部分最適から全体最適へと新しい ことに挑戦する変革です。これら3つの基本的な力の和が、業績回復や再生への道筋であり、会社活動の基盤である利益を生みだす鍵です。

総括として、当シリーズその18から21までの脈絡の中で、機能の視点から“経営と管理”の違いに言及します。
管理職とは、既存事業の中で分業体制に組みこまれることを意味します。つまり明確な分担が与えられ、そこで責任を果たすことを求められます。このことは有能であっても、会社の一部を見渡し、視野は狭い実務家の道です。また知識と体験が武器になります。
一方、経営者とは、自分の分担範囲ではなく全体を見渡し、仕事のプロセスに無関係に結果に責任を持ちます。つまり、不確実な近未来に向かって、新規事業の立案と推進といった事業観の皆無が問われます。そこには“教養”という実務知識や専門知識を超えた歴史観、世界観、人間観などが必須です。いつの時代にも不変な教養とはなにかについて、時事問題シリーズ14(平成20年4月)で取り上げる予定です。

村井 徹


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