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仕事・忙中閑あり(その20) 2008年02月21日 09:00

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仕事・忙中閑あり(その20)

前回に続いて、「良い経営者とは何か」を考えます。
90年代以降、日米欧で企業価値を判断する基準として、倫理的役割を求める潮流が顕著になりました。企業は収益性を必要条件としつつ、環境、人権、法令順守、地域貢献等の社会的責任(CSR)を十分条件に据えた考え方です。言い換えれば、企業は社会的、経済的、環境的側面に配慮して、多様な利害関係者(顧客、従業員、仕入先、地域社会等)に積極的に社会性の高い情報を開示することが、企業価値の向上につながるということです。
日経が2005年に実施したCSR調査によると、その評価項目は次の5つでした。
(1)経営戦略、組織体制
CSRマネジメントや経営トップが現場や社外から意見を聞く仕組みなど
(2)法令順守
倫理規定、リスク管理など
(3)従業員対応
男女均等の機会、待遇、介護・育児休暇制度など
(4)消費者・取引先対応
個人情報保護法への対応、消費者からの質問、苦情への対応、取引先との公正な取引など⑤社会貢献
温暖化ガス、廃棄物の処理、グリーン購入状況、地域社会への奉仕など
整理すれば、社会的責任を果たすためには、企業は人権、労働、環境、地域に配慮して、法律を順守した透明性の高い経営を行うということです。そして企業行動上、法令順守は社会的責任や企業統治(意思決定や内部統制)を推進するうえで最低限の条件です。言うまでもなく、企業には各々の実情に適合した社会的責任があり、企業文化・風土として定着させ、健全な競争力の向上を図ります。なお、国際標準化機構(ISO)が、社会的責任に関する国際規格を準備中です。

日本でも社会的責任の観点から、選別投資する社会的責任投資(SRI)が04年度から広がっており、厚生年金基金連合会が資金運用に当って、企業の収益力に加えて企業の社会性を市場価値として換算しています。

私の専門分野の1つである企業史から言及すると、かつてのよき企業市民と呼ばれてきた企業活動は、寄付やメセナなどの社会貢献と環境対策が主流でした。しかし今日の社会的責任は、企業倫理、企業統治、男女均等雇用、外国人雇用、情報開示などが加わり、社会にとって好ましい存在としての企業のあり方を問う、より本質的な企業課題に変化・進化していることに注目していきたいところです。
最後に一言・経営とは、経営トップが企業全体に目配りが出来る人であり、皮膚感覚で会社のことを考える人です。

村井 徹


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