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仕事・忙中閑あり(その10)
今回のテーマは「人を動かす力とは何か」です。
組織では仕事の面と人の面とに大別して考えます。仕事の面とは、売上増大、コスト低下、顧客満足…であり、人の面とは、組織内及び外注の人々と互いに働く信頼関係の維持・高揚です。この両面がバランスがとれるよう努めるのがリーダーの役割です。
仕事の面で業績が伸びれば、皆が自信を持ち動機づけもでてくるし、人の面でも人材育成がうまくいき、皆の力が付いてくると、業績もさらに上がっていきます。その一方、部下が上司に対して不信感を持つと、働き方にも悪影響が出てきて業績を悪化させ、また業績が悪いと空気が暗くなり動機づけも低下し、それが業績を悪くするという悪循環に陥ります。従って良い会社にするためには、両面について上司は細心の注意を払い、バランスを保つよう心構える必要があります。ここでのポイントはどうしても仕事に偏りすぎ、人が後廻しになる傾向が出やすいことです。仕事の面は結果が数字で現われますが、人に関することは定量化しにくいものです。従って人のことは何かが起る、あるいは起る徴候があったときにしか考えなくなる危険をはらんでいます。日頃、人の面により多くの力を注ぐくらいの心得がリーダー以上の職位に必要です。
・ 具体的にどうすればよいか。
ひとり1人が明るい職場づくりを心構けることに尽きるようです。朝、大きな声で挨拶する。軽い冗談が交る。ぼんやりせずリズムに乗って仕事が進んでいる。議論するときは前向きで取組む…などです。
また個人別の仕事の進捗はどうか。個人的に悩んでいることはないか。バックアップを必要としないか。…人の扱いに熟知すれば、何かあった場合、相手を見ただけでピンとくるはずです。
リーダーにとって、重要なことの1つに、人に対する包容力が大きいか、小さいかがあります。広い心を持ち自分の性格や個人的な好みによって人を差別することなく、大きく包み込む力です。生来、人の選り好みをすることなくどんな人でも受け入れ、癖を持つ人に対しても好き嫌いの情が殆どない人もいれば、選り好みが激しくあるタイプの人とは反りが合わず冷遇したりする人もいます。
人情として、特定の人を好きになるものの、それを仕事のことまで拡張して持ち込むのは、プロとして望ましくありません。これは度量の問題で部下の一部に不幸をもたらし、職場にとってもマイナスです。私の座右の銘に“泰然自若”がありますが、怒りは敵であり、人としての懐の深さが自分の味方であり、何が起こっても動揺せず、あるがままに受け入れてからものごとに対処する考えです。
最後に、“使われ上手”について記述します。使われ上手とは、上司が何を望んでいるかを忖度して先回りして動くことで、指示される前に準備して言われたら直ちに実行することを意味します。この資質は社会人として生きていく必要な要件で、若いうちから身につけ部下をもつ立場になれば、そのように指導した方が望ましいでしょう。またこのことは報告上手にも通じます。仕事で岐路に立ったとき、自分の意見を踏まえて上司の判断を仰ぐと、上司は状況把握とともに部下の意見も聞けます。使われ上手は、上司が何を求めているかを理解した上で報告でき、部下に対する指導も合わせて上手になります。
村井 徹

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