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仕事・忙中閑あり(その5) 2006年11月15日 14:06

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今回のテーマは「力を蓄えるとは何か」です。われわれは仕事をするために自分の能力をもっと高めたいと願っています。この場合の能力とは、自分がやって出来ることを意味します。知識と能力は違い、前者は教えられ有用ですが、後者は知っていることを実行して活用されるためより大切です。
“好きこそものの上手なれ”の言葉は、好きだから自分で進んでやることが多く、そのために上達します。たとえ初めは嫌いでも、意志で繰り返しているうちに、上達し楽しくなります。このように自分に力をつけ、それを蓄えれば必らず役立ちます。力は自分に巡ってきたチャンスを活用でき、自信と成功に導く不可欠な要件です。

未経験の仕事に取り組むとき、先輩にどんな心構えや注意が必要か、どんな手順でやったのかを聞き、マニュアルがあれば、それにそって学習します。この際、仕事の質(正確さ、確実さ)が最も大切で、次にスピードです。
自分の仕事を面白くする工夫は、・・・
(1)面白ければ力が付く
仕事に熱中しているときは、意識しなくても自分の能力が上がり力が付きます。人の能力は、未経験に挑戦しそれを克服したとき、やりがいを感じます。
(2)仕事はゲーム感覚で
仕事が面白くないと、若い人の中には転職を考えます。しかし世の中には幸福の青い鳥があるわけがありません。面白い仕事と面白くない仕事という別け方ではなく、自分がどのように取り組んだら、面白くなるかを考えた方が得策でしょう。スポーツの世界では、すべてスコア(成績)のとり方が決まっており、結果から判断して、次はこうやろうと考え実行する連続です。仕事もこれを同じく、単に指示された仕事を習慣的にこなすだけでなく、もっと早く楽しくやる方法を工夫したり、お客に喜ばれるやり方を工夫することも可能です。
(3)自分から先手を打つ
人は自由な雰囲気で人に縛られず働きたい願望があります。言われてその指図で動くのは決して面白くありません。言われる前に自分のイニシアティブで動く、そのために自分が相手の気持ちにどれくらいなりきれるかです。仕事の報告や連絡も、相手の気持ちを考えて先手でやれば行き届いた人と思われ、人の受けもよくなります。
(4)「できない」と考えない
「こんなことを考えたらどうか」と問われたとき、すぐに「できません」「無理です」と言う人がいます。そしてできない理由を理路整然と話し得意がる人がいます。しかし会社の仕事は、できないかどうかは、やってみないと分らないことが多いものです。
(5)今までのやり方を捨て違う方法を
今までの方法でできないのなら、ある部分を変えてみたらどうか、全く逆のやり方にしてみたら・・・と思案します。これが一種の知的ゲームです。
(6)他人の知恵を拝借する
何んとかしたい事柄について、頼む相手が誰であるにせよ、人に相談しその知恵を借りるのが得策です。知恵を借りた場合、必ず後からその件の経過報告と礼を言うことが必須です。
前述の(3)にあるように、行き届いた人とは気がきく、気がつくであり、大事な資質です。仕事とは大胆にして細心で必要なこと・やるべきことを無駄なく、きちんと実行する。すなわち有用な行動がよい結果を生みだします。小心にして大雑把な人は、些事に引きずられ全力投入する余裕がありません。

最後にリーダーは、自分が働くことと部下を働かせること、あるいは自分が仕事をすることと組織で仕事することの使い分けが必要です。部下を働かせることは、部下が自分で考え、自分で気がつき、自分で責任をもつよう気がきく部下に育てあげることが肝要です。

村井 徹


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時事問題(5)靖国神社参拝問題を読み解く 2006年11月01日 08:09

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—日本と中国の文化差異—

西欧の世界観には、宗教改革、産業革命、市民革命を経て、多元的な世界を許容する寛容性があります。没個性とは異なり個性が尊重され異見を認めて民主主義が機能します。近代社会は、伝統的な束縛から脱して創造的な社会を生みだし、異質をのみ込んでいく過程でした。このことが社会の進歩発展の原理です。一方、中国にあっては彼らの潜在意識として儒学や道教により“大同世界”が生きづいています。この世界はユートピアとしての現世的・世俗的なもので社会主義体制にも矛盾がないようです。大同思想の思考様式は、何事も1つに帰納し物ごとを極端に単純化し価値も画一化し、それを普遍化します。中国人の是とする世界は他を自に合わせて、万民一心の方向に導くことにあります。孟子の思想にみられるように歴史を時間軸で“哀乱の世”“昇平の世”“太平の世”に分けます。即ち戦争と平和を基に歴史発展の図式化です。太平の世とは中国人のユートピアであり大乱のない世界国家です。その内容は万物帰一で同化される世界です。多様性は否定され、異質の存在は認めません。当然思想は硬直化し、文化は異彩を放ちません。

中国政府は、1992年市場経済体制を指向し、近代化政策を急ぎ政府の正当性を保つために、江沢民国家主席は従来の日中友好路線を改め、日本軍国主義と中国侵略を大いに喧伝して、日本の脅威をあおり立てました。この時期に南京大虐殺、教科書問題、歴史認識問題を意図的に強調して民衆に敵愾心を植えつけ、日本に対するイメージは「嫌い」「侵略」「敵」が大勢を占めました。中国の社会主義革命が文革を含めて人的・物的な犠牲を払ったにも拘らず、国の進展がなかったのかを民衆に説くために民族主義と愛国主義が必要となりました。それは近現代史の抗日戦争とナショナリズムを強調し、あらゆる手段を講じて醜い日本人の極悪なイメージづくりに狂奔し、全国に20ヶ所余の反日戦争博物館を設立しました。

前述を踏まえて、中国が日本に対して政府要人とりわけ総理の靖国神社参拝について干渉していますが、「死生観」の相違が横たわっています。日本文化の死生観は、仏教から強い影響を受け“死ねば仏”“死者悉皆成仏”と考え死者に対し寛容さがあり、異民族の霊を祀ります。例えば秀吉の朝鮮出兵のときの朝鮮人戦没者向け、日露戦争のときの旅順にロシア兵戦没者向け、太平洋戦争のオーストリア戦死者向け各慰霊塔は死者への労りです。一方、中国の死生観は日本のそれと全く違っています。中国人は死を嫌うため死生観を生死観と表現し、生を全面に押し出します。孔子は死後について“生さえ知らず、いずくんぞ死をや”と言い、現世に固執し死後=霊=魂という考えはありません。仏陀のように死後への思索、来世の輪廻転生の探求もありませんでした。古代から不死長生を希求し、生命が無限に延長される仙人・神仙思想が生まれました。従って現世重視の中国では、死後は現世の続きと捉え、敵に対して不寛容で歳月を経ても子々孫々怨み続けます。また中国人は“名”すなわち“面子”を重んじます。

1990年代、中国は自称日本通の知識人は前述の政府キャンペーンに呼応して日本論を刊行し、自国を有利にするための政治的な歴史認識を展開しました。それらの論調は、日本人の祖先は中国人であり、日本文化は中国文化の継承で、日本人が明治維新で近代化できたのは中国への恩恵がなければ西洋技術の吸収はなく、経済発展もなかったとの共通感です。その根底には日本人は中国人に対し恩義を忘れ、義を負っていないというものです。中国では未だ学問的な歴史研究の域にはないようです。

1996年,村山富市元首相は「終戦50周年不戦決議」を強行採決し、この決議が国際上、なんのプラス効果もなく、むしろ逆効果であったことが今日まで尾を引いています。“不戦”や“平和”を唱えそれが隣国に歓迎されるとの思いがあるものの、300字構成のこの決議文には、加害者、被害者を明記せず、侵略行為を不問にしたものでした。中国はこの決議を謝罪なしと受け止め、反日宣伝に利用し愛国教育に拍車をかけました。中国と韓国は日本の歴史認識にひたすら非を認めることを求めており、中曽根元首相の参拝の頃から、恰も靖国はA級戦犯を祀るためにあるように曲解し、公然とアジア諸国を侮辱する行為ときめつけるようになりました。

今年七月に富田元宮内庁長官のメモが公表され、昭和天皇はA級戦犯が78年に合祀されたことに不快感を抱いたとの報道がありました。天皇個人としては、戦前陸海軍の統師者であり、戦後新憲法に基づく国民統合の象徴という立場上、靖国参拝を中止しました。また小泉前首相は、参拝は心の問題で自主性を重んじるとの談話がありました。

21世紀は国際化と言うものの、今日存在する隣国問題は過去の1時期に限定された摩擦が原因ではなく、両国の思想や精神が異なる限り衝突は必然でしょう。現実の国際関係では友好ありきという視点には無理があり、協調と一致が共通の基本価値として支えられる友好は幻想です。国益の視点からの政策判断の結果が、友好にも非友好にもなります。全方位外交、平和外交は一見、意味がありそうでも実質的には無意味です。中国は相手が優柔不断であるときよりも断固たる姿勢を保つと判ったときには、それなりに敬意を表します。

外交とは異なる価値観と国益の調整です。従ってその第1歩は価値観の違いを認識することから始まります。そして交渉とはギブ・アンド・テイクです。


村井 徹

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