村井徹/監査役 セイコー株式会社を退職後、経営コンサルタントに携わり、現在、当社の監査役等を務める。
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今回のテーマは、「コミュニケーション考」です。仕事上のコミュニケーション能力向上のために、そのスキル・テクニックを教示する数多のハウツウ本が店頭陳列されています。コミュニケーションを高めることは、仕事の作法、報・連・相、上司部下間の信頼形成に必須です。 その1で脳の働きとして「知・情・意」を述べましたが、これらはコミュニケーションの説得が成立する条件であることを理解する必要があります。 説得とは、説明して納得させることであり、相手がわからない内容をわかりやすい形に変換して伝達し受け入れさせることにあります。そのために相手の精神作用である知情意に総合的に訴えます。 「知」?論理的にわからせる(相手が理解できる言葉で) 「情」?相手の感情を害さない(最低限の対人マナー厳守) 「意」?相手にとっても利害が相対的にプラスになる(自己中心から相手の利益を示す) コミュニケーションを論ずる場合、私は次の思想家を思い浮かべます。それは江戸元禄期の伊藤仁斎です。幕府の根幹をなす朱子学を問い直し、人間認識としてテーゼ「人の外に道なし、道の外に人無し」があり、前者は人間存在の本質を表現し、後者は規範的理念への志向を表現しています。すなわち、道は人を離れてはなく、共同的関係に成り立つ基底的な考えを提示しているからです。 コミュニケーションの基本は、お互いに自分の考えを述べ合うことであり、人間関係を深める対話です。そのためには、構成員が各々自立し、思考し、対等にコミュニケートしますが、報・連・相の場合、各々が対話した内容を確認することが大事です。対話のコツは、先ずは無理難題であっても、一応受けとめて(共感)その後反論ではなく、一緒によい考えや対応を見い出すことです。従って反語であるメしかしモやメでもモは避けて、発展的な表現であるメそこでモやメではモを適応すれば、より良いコミュニケーション、すなわち協働者になります。私はこのようなコミュニケーションを仕事指向と人指向、つまり理性と感性のバランス化と捉えています。そこに前述した知情意との整合性がある所以です。
今年の「TOKYO DESIGNER’S WEEK 2005」は大盛況だった。神宮外苑の絵画館前のグランドに大テントを設営して開催されたロンドン発のインテリアトレンドショー「100% DESIGN TOKYO」をはじめ、企業ブランディングをテーマとしたコンテナ展、また国内外54校の大学と専門学校が参加するエコ・ストリートファニチャーをテーマとした学生制作展まで、デザイナーから企業、学生、ショップが参加し、連日、若者中心の来場者で会場は溢れんばかりのにぎわいを見せていた。 にぎわいの要因は「100% DESIGN TOKYO」。入場料1500円、割引後1000円と有料にもかかわらず、多数の人たちが押し寄せていたのは、雑誌などの媒体効果もさることながら、雑貨やインテリアへの関心が若年層を中心に浸透した結果と思わせる。昨今の建築デザイン系を学ぶ女子学生の大半が、雑貨とインテリアに興味を示しているのも納得できる現象である。 「100% DESIGN TOKYO」は、ロンドンのインテリア見本市「100% DESIGN」の企画を日本版としてアレンジしたデザイントレンドを発信するビジネスショーで、約150の企業団体、個人デザイナーがブースを借りオリジナル作品を発表するスタイル。出展に際しては事前のプレゼンテーションによる簡易的な審査があったようだが、出展料は1�7万円程度と海外の見本市と比べ破格の値段。しかし今回の盛況ぶりは、出展者も予想できなかったほどのにぎわいで、主催側の笑顔も想像された。 会場で無料配布された250頁ほどのガイドブックであらためて関係者をながめてみる。主催は「NPO法人デザインアソシエーション」。デザイナーである喜多俊之氏を理事長に、雑貨ブランド「フランフラン」を打ち出す株式会社バルスの高島社長や、森ビル株式会社の森専務が副理事長を務めるなか、環研もお世話になっているOZONE若宮社長も理事として参加されていた。今回出展した知り合いによると、専務理事を務める川崎健二氏が、デザインアソシエーションの屋台骨で、また「100% DESIGN」の企画を持ち込んだキーマンとのこと。今回の成功は主催関係者の努力もさることながら、この10年のなかでデザインを通じた日常生活の豊かさを伝えてきた関係団体の活動によるところが大きい。その一翼を担ったのは、リビングデザインセンターOZONEであり、AXISや東京デザインセンターといったリビングデザイン系の情報発信施設である。 混雑する「100% DESIGN TOKYO」の出展ブースを回り、久しぶりにワクワクする気分になる。それはビックサイトや国際フォーラムで開催されるビジネス展とは明らかに違った感覚であり、周囲の若者たちと同様に「楽しいものに会えそう」と思える素直なユーザーマインドであった。OZONE立ちあげの頃に云われていた「国内において衣食住の“住”だけが格差が大きく、また海外に比べて見劣りが著しい」とする時代は、今や昔のことである。(池村)