村井徹/監査役 セイコー株式会社を退職後、経営コンサルタントに携わり、現在、当社の監査役等を務める。
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「筍、煮たけど作り過ぎたので、少し食べてもらえます?」 「あら、おいしそう。ありがたくいただきますね。ちょっと待ってて・・・」 母親は、筍の入った器を台所に持っていき、家の器に移し替え、お隣の器を軽く洗って、サッと拭き、台所の下から牛乳石鹸を1個取り出して空になった鍋にそっと入れ、白い布巾をかぶせてお隣の奥さんに返していた・・・正確な記憶ではないですが、昔はそういう光景をよく見かけました。 子供心に、「なんだか物々交換をしているみたいで、変なの・・・」と思っていましたが、これが、よく言われる「半返し」という日本の美風のひとコマです。 「半返しするくらいなら、最初から半分でいいのではないか」これは理屈っぽい中学生の頃の言い分。 「この前いただいたご指示・・・その通りにやってみたら、うまく行きました。ありがとうございました」 「お! そうだろ、そうだろ。うんうん、じゃ、今度はこうしてみたら・・・」 このような《ホウ・レン・ソウ(報告・連絡・相談)》も、ある意味で「半返し」の延長線上にある。 「半返し」というのは、コミュニケーションの根幹である「手応え」「やり甲斐」「尽くし甲斐」の精神から生まれた風習なのでしょう。 「聞き上手」というのもあって、「うん、うん。そう、そう、そう思うよ〜」とうまく打たれる相槌が「手応え」と感じて、相手は本音に近い部分を話すようになります。 「打てば響く・・・」ほどの、明快なコミュニケーションは、世の中にはそう多くは存在しませんが、社会人として「半返し」のココロぐらい・・・つまり「手応えのあるヤツ」ぐらいにはなりたいものです。 竹内義雄